正社員、派遣社員、個人事業主の違いと個人事業主のメリット・デメリット

正社員、派遣社員、個人事業主の違いを、税金や社会保険などの視点から解説します。
個人事業主のメリット・デメリットも併せて解説します。

さて、今回は、正社員、派遣社員、個人事業主の違いについてです。

ITフリーランス(個人事業主)と、正社員、派遣社員との違いをざっくり教えて下さい。

はい。
見やすいようにまとめていきましょう。

目次

正社員、派遣社員、個人事業主の違い

まずは、それぞれの違いを一覧表にまとめます。

差異一覧表

正社員派遣社員※1個人事業主
雇用契約
退職金ありなしなし※2
健康保険健保組合健保組合国民健康保険※3
年金厚生年金厚生年金国民年金
年金支払期間70歳までOK70歳までOK概ね60歳まで※4
iDeCo65歳までOK65歳までOK概ね60歳まで※5
年末調整・確定申告年末調整年末調整確定申告
所得税給与天引き給与天引き確定申告※6
消費税確定申告
固定資産税○※7
個人事業税○業種による
住民税給与天引き(特別徴収)普通徴収(年4回)普通徴収(年4回)
傷病手当金給与の2/3相当△※8
  1. 派遣会社の福利厚生が充実していることが前提
  2. 小規模企業共済といった退職金に近い制度があり、節税のメリットもある
  3. 業種によっては、国民健康保険よりも割安な国民健康保険組合が存在するケースがある
  4. 40年間の加入期間があるので、60歳以降も満たなければ支払いは可能
  5. iDeCoも年金に準ずるので、国民年金が60歳までならばiDeCoも60歳まで
  6. 免税業者に納付義務はなかったが、インボイス制度に加入した個人事業主に納付義務が発生する
  7. 事業に関わる固定資産のみ対象(いくつかの減免措置あり)
  8. 健保組合であれば対象なので、理論上可能だが、その期間に派遣契約ができるかは不明

※印が多すぎてごめんなさい。
ただし、これらの注釈についても、少しずつで構いませんので覚えておいたほうが良いでしょう。

その中でもいくつかピックアップします。
(国民健康保険組合等、「個人事業主のメリット・デメリット」とダブる項目は、そちらに記載しています。)

正社員のような年末調整はあるか?

年末調整では生保・個人年金や、扶養家族等の申請を記入しますが、それと同様のものが確定申告にもあります。
また、寄付金は正社員・派遣社員・個人事業主ともに確定申告にて申告できます。

国民年金の65歳延長はあるのか?

厚生年金は国民年金と比較して、受給額もそうですが、加入期間も格差があるのですよね。

ただし、確定ではありませんが、「国民年金を65歳まで延長」が2025年に法案提出され、2026年に施行…といった道筋が半ば決まっているような報道がなされているようです。

ただ、もうすぐ60歳なんだよな…という方が、61歳以上で再び再加入できるのか?は分かっていません。

任意加入制度が40年未満から45年未満に引き上げられると思いますが…いずれにしても、やるならば早めにスタートしてほしいところです。

65歳に延長した場合に受給額がアップするのかも不透明です。
しかし、iDoCoもスライドして加入期間が延長される模様ですので、IDeCoの拠出金アップや、節税効果のメリットはあります

個人事業税の業種は?

都道府県によって業種が異なります。
2023年現在、東京都の場合はIT業者およびWebライターは非課税、Webデザイナーは課税対象となっています。
詳細は各自治体のサイトを参照してください。

消費税(税込経理)、固定資産税、個人事業税は租税公課にて節税のメリットあり

消費税(税込経理のみ)、固定資産税、個人事業税は支払のタイミングにて租税公課勘定に組み入れることができます。
これにより、費用となり、節税のメリットになります。

個人事業主のメリット・デメリット

他のサイトでも見かけたような記述もあるかもしれませんが、一応、メリット・デメリットも記載しておきます。

個人事業主のメリット

  • 報酬が高め(ITに限る?)
  • 「趣味が仕事」だと、経費化で節税できる
    • ブロガー・アフィリエイターも兼業すると良い
  • 個人事業主をやりながら、時間的に穴が空いたりした場合は派遣やバイトで働くこともできる

この内「派遣やバイトで働くこともできる」ですが、確定申告には(個人事業主としての)事業所得の他に、給与所得も記入できるのです。また、源泉徴収欄もあります。
この場合に面倒なのは健康保険や年金の切り替えなのですが、派遣の健保組合を利用しながら事業収入も得るという猛者?もいらしゃるので、ようはやり方次第でしょうか。
(その場合、小規模企業共済が受けられない可能性があります。また、iDeCoの掛け金に制限があるかもしれません。それぞれの箇所にお問い合わせください。)

個人事業主のデメリット

  • 収入が不安定
  • 国民健康保険が高い(改正より節税のメリットが受けられなくなってしまった)
  • 国民年金の支給額が厚生年金よりもかなり低い
  • 退職金がない(小規模企業共済で代用できる)
  • 傷病手当金が受けられない(休業補償がない)
  • 業種によっては個人事業税を徴収される
  • 会計や税務が面倒
  • 「経験者」を求められる

以下に対策を記しておきます。

傷病手当金が受けられない(休業補償がない)

収入保障保険のようなタイプの保険を探して加入しましょう。
商品ラインナップは増えていますし、その中には個人事業主も視野に入れた保険もありそうです。

収入が不安定

こちらは、以下の対策があるでしょう。

  • エージェントを増やす(それぞれの得意分野があるようですので)
  • 派遣会社にも登録しておく
  • いざという時のために貯蓄を

国民健康保険が高い(改正より節税のメリットが受けられなくなってしまった)

個人事業主のITエンジニアは、健保組合に入れないのは痛いですよね。
ただし、Webデザイナーやライター向けには「文芸美術国民健康保険組合」(通称:国美)という健保組合があるようです。

加入方法には、美術系の業界団体に加入し、国美に申請という2ステップとなっていますが、国美の申請が厳しいという話も聞きます。
(作品を受託納品した証拠書類や、作品のコピー等が必要となる等)

定額であることで、収入が低い場合は国民健康保険の方が安いこともあるので、未経験者が慌てて加入するのは待った方が良いかもしれません。

国民年金の支給額が厚生年金よりもかなり低い

食堂や商店といった自営業者を取り上げたニュースやドキュメンタリーを見ていると「俺は死ぬまでこの仕事をするぞ!」といったセリフをよく耳にしますが、国民年金だけでは暮らせないといったことの裏返しなのかもしれません。

なので、こちらは、iDeCoまたは国民年金基金で補いましょう
どちらも国民年金基金連合会が運用していますが、制度が異なります。

  • 国民年金基金は終身年金が基本(有期もあるはず)、年利は一定
  • iDeCoは有期年金(確定年金)が基本(受給時に終身も選択できるはず)、投資リスクが伴う

同時に入ることもできます
月額で合計68,000円(国民年金の付加保険料を納付している場合は67,000円)まで納付できます。

興味がある場合は、比較サイト等をチェックしてみましょう。
(若年層は加入期間が長い分、国民年金基金の方に魅力を感じるかもしれません。)

それでも物足りない!という人は、

  • 保険会社の個人年金に加入
  • 終身の生命保険に加入(老後に解約してもお金が戻る)
  • NISAで積立投信
  • 高配当金の株式をコツコツ積み増す(最終的に配当金を年金の足しに)

といった手段で貯蓄しましょう。
いずれも、年齢の早いうちにやり始めるのがコツです。

業種によっては個人事業税を徴収される

東京都内では、Webデザイナーは(所得税の上乗せとして)個人事業税を徴収されますが、その一方で国美には加入しやすい。
悪い面もあれば良い面もあるということでしょうか。

会計や税務が面倒

税理士にお願いするか、あるいは自分で会計を学ぶか…

青色申告会に加入する手段もありますね。

「経験者」を求められる

単価については、未経験であると足元を見られます。
逆に考えると、勉強期間だと割り切り、未経験者でも安い単金でOKといった案件に参画するのも良いかと思います。

最後に

俺は死ぬまで雇用されないぞ!正社員でしがみつくぞ!的な人はともかく、最初は正社員で経験を積み、独立してフリーになり、仕事が空いたときには派遣もやる…といった生き方も、IT業界では普通にありかなと思います。

それでは、また。

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