免税事業者がインボイス発行事業者となった場合「2割特例」という負担軽減措置がある

このページでは、2023年4月に発表された、個人事業主・フリーランス向けインボイス制度の軽減措置「2割特例」について解説いたします。

さて、今回はインボイス制度の軽減措置についてです。

私も今年に入り、「適格請求書発行事業者」の申込みを申請し、いよいよインボイス制度の仲間入りを果たしましたが、やはり消費税の負担は大きいですよね…
なんとかならないかなあ…

私もなんとかならないかあ…と思い、何らかの救済措置がないかと調べたところ、2023年4月になってから、負担軽減措置が発表されたようです。

以下に、フリーランス(個人事業主)に関係しそうな箇所をピックアップしていきます。

目次

インボイス制度の2割特例について

財務省の説明では…

令和5年度改正におけるインボイス制度の改正について(財務省)

上記のサイトには、大盤振る舞いぽいフレーズがいろいろと踊っておりますが、その中でも、見落とせない記述がありました。

免税事業者がインボイス発行事業者となった場合、「2割特例」という負担軽減措置が受けられるようです。

消費税の申告を行うためには、通常、経費等の集計やインボイスの保存などが必要となりますが、この特例を適用すれば、所得税・法人税の申告で必要となる売上・収入を税率毎(8%・10%)に把握するだけで、簡単に申告書が作成できるようになります!
また、事前の届出も不要で、申告時に適用するかどうかの選択が可能です!

令和5年度改正におけるインボイス制度の改正について(財務省)

私の場合は、売上の消費税はすべて10%なので、その2割を収めればいいということになりますね。

また、申請書等の届出不要も嬉しいところです。

さらにこちらのサイト、

2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要(国税庁)

によると…

(2)  2割特例は、インボイス制度を機に免税事業者からインボイス発行事業者として課税事業者になられた方が対象です。

2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要(国税庁)

なるほど。私のようなインボイス制度を機に課税事業者へという免税事業者が対象になるようですね。

上記のように令和4年中に消費税課税事業者選択届出書と合わせて適格請求書発行事業者の登録申請書を提出し、令和5年1月から消費税の課税事業者となった事業者については、令和5年10月1日より前から消費税の課税事業者であることから、2割特例の適用を受けることができません。

2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要(国税庁)

私の場合は、この消費税課税事業者選択届出書は提出していませんので措置を受けられそうです。

(3)  2割特例は、一般課税と簡易課税のいずれを選択している場合でも、適用することが可能です。そのため、簡易課税制度の適用を受けるための届出書を提出していたとしても、申告の際に2割特例を適用することが可能です。

2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要(国税庁)

なるほど、一般課税と簡易課税のどちらを選択しても2割特例は受けられますね。

2割特例の仕訳例

  • 1社のみの契約で、売上は税抜50万円/月で、税込だと55万円/月
  • 免税業者からインボイス業者になったが、税込経理のまま
  • 確定申告の当年に、2割特例を租税公課で計上
  • 翌年(確定申告時)のタイミングで、消費税を納付

といったケースで、仕訳を考えてみます。

令和5年(2023年)の売上の内、10~12月の消費税を租税公課に計上

日付借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
2023/12/31租税公課30,000未払金30,000

10~12月(3ヶ月分)の売上の消費税分15万円✕20%を申告し計上。

確定申告のタイミングで消費税を納付した

日付借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
2024/03/xx未払金30,000事業主借 or 現金※30,000

※)現金勘定で管理している場合は「現金」とする

令和6年(2024年)の売上の消費税を租税公課に計上

日付借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
2024/12/31租税公課120,000未払金120,000

12ヶ月分の売上の消費税分60万円✕20%を申告し計上。

確定申告のタイミングで消費税を納付した

日付借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
2025/03/xx未払金120,000事業主借 or 現金※120,000

※)現金勘定で管理している場合は「現金」とする

簡易課税にするかの判断は令和9年12月末までに決めればいい

また、このような記載もあります。

 2割特例の適用を受けたインボイス発行事業者が、2割特例の適用を受けた課税期間の翌課税期間中に、消費税簡易課税制度選択届出書を提出したときは、その提出した日の属する課税期間から簡易課税制度の適用を受けることができます(28改正法附則51の2⑥)。

2割特例(インボイス発行事業者となる小規模事業者に対する負担軽減措置)の概要(国税庁)

図が引用できるかは判断できないため、文章で申し訳ないですが、「翌課税期間中に」とあるとおり、令和9年内であれば、簡易課税に切り替えることができるようです。

私はIT事業者の一人親方なので、簡易課税を選択した場合には5割負担になるのですが、IT事業者は一般的に費用の率が低いので、簡易課税を選択することになるかもしれませんね。

1万円未満はインボイスの有無に関わらず仕入税額控除ができる

財務省のページに戻ります。

1万円未満の課税仕入れ(経費等)について、インボイスの保存がなくても帳簿の保存のみで仕入税額控除ができるようになります!

令和5年度改正におけるインボイス制度の改正について(財務省)

スーパー・コンビニや個人商店でのお買い物、それと細かいお茶代・手土産代などの領収書に対して、いちいち「あなたのところはインボイス業者ですか?番号教えてくれませんか?」って聞けませんよね?

なので、この処置はとても助かります。

1万円以上の費用は、例えば、PCの周辺機器とか、接待費用でしょうか。
このあたりを気にすれば良いだけになるのは助かります。

旅費交通費と同様、3万円基準にして欲しいなとは思いますが…

複雑な会計処理はとりあえず必要なさそう

この期を機会に、税込経理から税抜経理に切り替えて、勘定科目毎に8%と10%の補助科目を用意して…と、色んなことを考え始めていたのですが、とりあえず、先送りしても大丈夫そうですね。

ただ、個人事業主向けの消費税の申告書類が、今回の特例を加えて、どのように簡略化されるのか?それとも、わかりにくい書類が、さらに複雑化するのか?
そこが気になるところです。

最後に

とはいえ、やはり売上1千万未満の事業者は、インボイス番号の取得の有無にかかわらず、消費税の納税を免除してほしいなあ…とは思います。

それが無理であれば、これを機会に業種ではなく、個人事業主・フリーランスは一律に簡易課税は80%…といった大胆な政策に期待したいところですね。

それでは、また。

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