フリーランス・個人事業主が電子帳簿保存法に対応するには?

2024年から電子帳簿保存法が始まりますが、我々フリーランス・個人事業主は、どの様に対応したら良いのでしょうか?
解説します。

インボイス制度と並んで、今年から来年にかけて、もうひとつ重要な改正があります。

それは電子帳簿保存法なのですが、私達、フリーランスには、影響はあるのでしょうか?

先に結論をまとめておきます。

  • インボイス制度とは異なり、(現在は)申請は不要
  • 紙の領収証(領収書)やレシートは、従来どおりでOK
    • スキャンする/しないはどちらでも良い
  • 問題はAmazonや楽天・通信会社等のWeb領収証の類い
    • 検索機能が必要だが、売上1,000万円以下は免除(さらなる救済措置の可能性も)
    • タイムスタンプを埋め込むか、それ相当のクラウドサーバーに保管が必要(Googleドライブ等)

この2つ「紙の領収証(領収書)やレシート」と「Web領収証の類い」は、取得ルート含め、別の話かと思いますが、同一法案なので、なんとなくごちゃ混ぜににされています。
この2つは別々に考えましょう。

多くのフリーランスは、とりいそぎマーカーの対応をとれば大丈夫かと思います

目次

インボイス制度とは異なり、(現在は)申請は不要

インボイス制度と同じように、事前に申請が必要なのでしょうか?

電子帳簿保存法の申請はどのように行う?申請の必要性や方法について紹介

によると、

電子帳簿保存法に適応した電子保存を行うためには、「電子データ保存」と「スキャナ保存」については、事前に所轄の税務署長に申請し承認を得る必要がありました(電子取引については、事前承認は不要です)。
しかし、2022年の改正により、この事前承認制度は撤廃されました。そのため、現在申請は不要となっています。

電子帳簿保存法の申請はどのように行う?申請の必要性や方法について紹介

とのことで、現在、申請は不要になりました

ただ、検索すると結構な頻度で、以前の文章である「申請が必要」がヒットしますので、その場合は無視してください

以前は社内規定やシステムのマニュアル等を添付した申請が必要だったようで、相当にハードルが高かったようです。

紙の領収証(領収書)やレシートは、従来どおりでOK

ブログなどを見ると、紙の領収書もスキャンしよう!的なことが書いてあったりしますが、これも義務なのでしょうか?

いいえ、義務ではないです、任意です。やらなくて大丈夫です。
こちらは、勘違いしやすいポイントですね。

これは会計ソフト・アプリが、スキャンしたレシートをOCR機能で文字列化し、日付・金額・相手先をAI等で推測し、アプリによっては勘定科目までも推測して、会計入力の手助けをしますよ!という売り文句が、いつのまにか「やらなくてはいけない!」という義務感になっているのだと思います。

当然ながら、会計に関する知識がない場合は、そのサービスがあると、とても助かりますよね。
ただ、ある程度仕訳に慣れている方であれば、作業時間を天秤に、使わないと言う選択肢もあります。

電子帳簿保存法によると、スキャンしたレシートはシステムに保存しておけば、廃棄しても良いようですが、私は2024年の本格的なスタートまでは保存しておこうかなとは思っています(クラウド会計システムを検討中のため、やり直す可能性もゼロでないので)。
ただ、税理士さんから、既に廃棄OKと伝えられている方は、廃棄しても構わないと思います。

どのような事業者(企業)が恩恵を受けられそうか?

私はITエンジニアとして、現在、ワークフローシステムの構築にも参画していますが、この紙レシートの電子化は大企業の経理部の負担を降らすことが目的の一つになっていいるのでは?と思っています。

例えば、社内の移動交通費等の精算システムでは、タクシーの領収証をスキャンし、それをアップロードすることによって、ワークフローでのペーパーレス化を図るといったことがなされていると思います。それでも従来は、紙の領収証を、追って従業員から受け取り、保管する必要がありました。
しかし、スキャンニングを従業員が担うことで、経理部の負担も減りますし、ワークフローの承認データを仕訳データとして利用し、ついでにスキャン画像も管理できれば、一石二鳥ですよね?
従業員が数千人レベルだと、恩恵は相当に大きいです。

ということで、大企業向けの法案なのかな?思っています。
そして、中小企業や個人事業主は二の次で、不都合が表面化すると、あわてて救済措置が発表されると言う流れですね。これはインボイス制度でも同様かと。

小規模事業者では、一体誰がスキャンするの?ということで大揉めになることは必至だと思います。
そんなスキャンとか撮影とか時間の無駄だよ!という方は、紙のまま保存してもOKです。
私も、どちらが効率的かは考えながら行おうと思います。

スキャンデータのタイムスタンプが2ヶ月と7営業日以内に

スキャンデータにはタイムスタンプを付与するか、あるいはクラウド等のシステムに保管が義務付けられるようですが、前出のPDF「電子帳簿保存法の申請はどのように行う?申請の必要性や方法について紹介」によると。

⑴ タイムスタンプの付与期間が、記録事項の入力期間と同様、最長約2か月と概ね7営業日以
内とされました。

電子帳簿保存法の申請はどのように行う?申請の必要性や方法について紹介

改正前はなんと3日ルールだったようです。
こういったものも、紙の領収書のままでいいや!と思ってしまう、わずらわしさなのでしょうね。

問題はAmazonや楽天・通信会社等のWeb領収証の類い

電子帳簿保存法で検索すると、突然目にするAmazonや楽天領収証の例えは何でしょうか?

これは、下記のPDFの「③電子取引(電子的に授受した取引情報をデータで保存)」に対する例えのようです。

電子帳簿保存法が改正されました
(PDF注意)

2 タイムスタンプ要件、検索要件等について、次のとおり要件が緩和されました。
(1) タイムスタンプの付与期間が、記録事項の入力期間と同様、最長約2か月と概ね7営業日以内とされました。
(2) 受領者等がスキャナで読み取る際の国税関係書類への自署が不要とされました。
(3) 電磁的記録について訂正又は削除を行った場合に、これらの事実及び内容を確認することができるクラウド等(注1)において、入力期間内にその電磁的記録の保存を行ったことを確認することができるときは、タイムスタンプの付与に代えることができることとされました。

この対象として、誰でも分かる例えとして、Amazonや楽天の領収証がよく使われているようです。
その他にも、電力会社や電話会社で明細を郵送ではなくWebにした場合も含まれます。

具体的には、このようなサイトでしょうか。

  • Amazonや楽天などの通販会社
  • 東京電力と行った電力会社
  • 日経新聞などの新聞社
  • NTTドコモなどの電話・通信会社
  • 楽天カードなどのクレジットカード会社
    • 定額のサブスクリプションサービスはこれで良い気もするが…

ようは、これらのWeb領収書や請求書は、印刷後に改ざんされるリスクがあるので、印刷はやめて、PDFやスナップショットといったデータで管理しましょうという法案で、こちらは義務になりますので、注意しましょう。

電子データとしての保存が義務だということなので、これを守った上で、あえて紙に印刷して、紙のレシート類と一緒に保管しても問題はないとは思います。
(経理部内で仕訳のチェックを行う際に、こちらのほうがやりやすいということもあるかもしれません。)
ただ、正副の「正」は電子データの方になります。

メールもWeb領収書と同じ扱いです

Web領収書ではなく、HTMLメールを領収書の代わりにしているショップがありますが、これも同様でしょうか?

はい、こちらもPDF化しましょう。

Web領収書や明細書にマーキングし、その部分のみを経費にするケースでは?

Web領収書や明細書を印刷した上でマーキングし、その部分のみを経費にしたいといったケースでは、結果的に紙で印刷する必要があると思うのですが…

そうですね。
そのとおりだと思います。
家事商品と一緒に購入すると安くなるケースもありますしね。

国税庁のPDF「電子帳簿保存法一問一答」でもそれっぽい回答は見つかりませんでした。
どのように対応するのでしょうね?

それ以外にも「Web領収書を印刷して、メモ書きをして証拠書類としている」というケースも多々ありそうですよね。
その場合は、さらにスキャンてしPDF化でしょうか…
それともWebショッピングは結果的に紙領収証でOKとなるのか???

カード会社の引き落とし明細CSVを会計アプリに取り込んでいる方は?

Amazonとか楽天とかは、カード会社の引き落とし明細CSVを会計アプリに取り込んで済ませたけど、ダウンロードする必要があるの?

クレジットカード会社のCSV取り込みは便利なので、Web領収書なんて見たことがない!という方も少なくないと思います。

もし何らかの理由で領収書の提示が求められた場合、今はその領収書が表示されますが、今後どうなるかわかりませんので、一応、ダウンロードすることをおすすめいたします。

ショップによっては、2度目以降は「再発行」と表示されると思いますので、ショップでの閲覧は、あまり相応しくないかもしれませんね。

検索機能が必要だが、売上1,000万円以下は免除(さらなる救済措置の可能性も)

PDF機能の検索機能とはなんでしょうか?
フォルダの検索機能では駄目なんでしょうか?

税務調査等のために、PDFファイルを検索できるようにしておくことが義務付けられています。
ただし売上1,000万円以下の事業主はその必要はありません。

(これが更に増額されるとの話もあり。)

私は印刷する前に、PDFにダウンロードしておき、会計入力する際に印刷していますが、それをフォルダー整理のみにすれば良いということになります。
ただ、サイトによっては、単に「サイト名」のようなファル名でしか落とせないので、以下の名称にするとわかりやすいでしょう。

yyyymmdd_amazon_金額.pdf <= amazonの場合
yyyymmdd_楽天(ショップ名)_金額.pdf <= 楽天の場合
yyyymm_東京電力_金額.pdf <= 月次で請求される相手先の場合

実は、これで検索が満足できてしまうかもしれませんね。

タイムスタンプを埋め込むか、それ相当のクラウドサーバーに保管が必要

PDFにタイムスタンプ情報を埋め込むか、あるいは追加変更削除の履歴が残るようなファイル管理システムへの保管が義務付けられています。
こちらは、現状、売上等の救済措置はありません。

(ただし、何らかの救済措置が発表される可能性もあるとの見方もある…らしい。)

タイムスタンプって何?と問われると、実は私も、タイムスタンプアプリ的なものの体験がありません。
PDFファイル自身に作成日時データを埋め込むことで、信頼性を上げるということでしょうか。
どういったサービスで、このタイムスタンプを埋め込むのかは、法案では触れていませんし、何が業界標準なのかもわかりません。なので、将来性が担保されているものかは、ちょっとよくかりません。
また、無料ではなくコストも掛かる可能性も高そうですね。
なので、タイムスタンプアプリやサービス的なものを採用するのは、あきらめます。

法案では、タイムスタンプではなく、システム的に作成日時が判断でき、修正日時等の履歴が判断できるファイルサーバー等があれば、それで代行できるようです。
以下の方法でしたら、個人事業主のレベルでしたら無料でできると思います。

電タイムスタンプ不要で Googleドライブ(Google Workspace)で始める お手軽な電子帳簿保存法対応の方法とは? ~コストを抑えて対応する方法とは~

確かに、Googleドライブのファイルはバージョン管理ができるようですので、それを利用すればタイムスタンプの代わりになるでしょうね。
私も、今後はこの手法でやってみます。

Googleドライブに検索機能がありますので、ファイル名を、前項のようにしておけば、検索も可能になるでしょう。

上記サイトでは、Googleスプレットシートに一覧表とリンク先を置いておくことで、(一覧表にある項目にて)検索も可能になるとあります。
売上1,000万円超の事業主の場合は、ExcelやGoogleドライブでファイルを作成することをおすすめいたします。

その他の情報源として

【速報!急展開】電子帳簿保存法、紙保存でもOKへ。個人事業主・中小企業に朗報。売上5000万円以下で検索も不要に【2024年1月義務化/領収書・請求書/インボイス/Amazon・楽天/わかりやすく】(YouTube)

上記の動画も参考にさせていただきました。
インボイス制度同様、国税庁その他の混乱ぶりが気になるところですね。

それでは、また。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次