アフィリエイトの売上・売掛金は洗替法で行うと簡単

アフィリエイターは経理経験がない方がほとんどだと思います。
取り扱いの難しい「売掛金」を決算以外使用しない「洗替法」が便利です。

さて、今回はアフリエイトの売上の仕訳についてです。

アフィリエイトの売上=売掛金の管理に四苦八苦しています。
売掛金の残高にいつの間にか?よくわからない誤差が生じてしまったり、その誤差がどのASPなのかわからなくなってしまったり、…
なにか良い方法はありませんか?

あります!あります!
ちょっと長めのコラムですが、頑張ってついてきてください!

このコラムは主に「やよいの青色申告」向けになっていますが、他の会計ソフトでも応用可能です。

売掛金以外の会計処理については、こちらをご参照ください。

目次

どのASPの売掛金か、わからなくってしまったら?

こちらは簡単なので先に答えちゃいますね。

売掛金は相手先ごとに補助科目で管理しましょう。

仕訳例

補助科目なし(改善前)

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
売掛金5,000売上5,000

補助科目あり(改善後)

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
売掛金/A社5,000売上5,000

「/A社」の部分が補助科目です。
設定については、ご使用の会計ソフトのサイトで確認してみてくださいね。

補助科目のメリット

  • 相手先ごとに残高がチェックできる
  • 青色申告では売掛金に集約される

デメリットは特に無いと思います。

補助科目への移行方法

こちらも、ご使用の会計ソフトのサイトで確認してみてください。
ただし、大抵の場合は、これでいけると思います。

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
売掛金/A社5,000売掛金12,345
売掛金/B社7,000
支払手数料 or 雑損失345

A社、B社とも、翌々月払いであれば、2ヶ月前からさかのぼった売上=売掛金残高になっているはずです。
念のために残高とASPの売上金額と一致するか確認しましょう。

結果として、345円とよくわかない誤差が生じましたが、大抵のケースは振込手数料だと思われます。微妙な場合は雑損失でも良いでしょう。

なぜ売掛金に誤差が生じるのか?

ASPのモデル

  • 売上先:A社
  • 売上の入金:翌々月末払
  • 振込手数料:一律400円
  • その他事項:まとめて払いを設定(一定の金額以上になったら振り込み)

といったタイプのASPを例に話を進めます。

誤差の原因1:入金時に振込手数料の計上を忘れた

一般的なASPは、振込手数料を差し引いた金額を送金しますので、

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/○○銀行9,600売掛金/A社10,000
支払手数料400

としなければ、ならないのを、

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/○○銀行9,600売掛金/A社9,600

としてしまったケースですね。
これですと売掛金の残高400円が残りっぱなしです。
いつもはちゃんとやっていたはずなのに、ある月だけ、振込手数料の計上を忘れてしまったなんてこともあると思います。

誤差の原因2:売上と売掛金に誤差が生じる(為替差損益など)

入金時に誤差が生じるケースがあります。
あるとすれば、海外ASPでの誤差でしょうか?
ドル建ての場合、売上と入金時に為替レートが変わっていまい、為替差損益が生じることがあります。

売上時は1ドル133円

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
売掛金/X社1,330売上1,330

入金時は1ドル132円(間違い)

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/△△銀行1,320売掛金/X社1,320

これですと10円の誤差が出ますね。

入金時は1ドル132円(正解)

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/△△銀行1,320売掛金/X社1,330
雑損失 or 売上10

これに加え、数ヶ月まとめて払いで、かつ翌々月払いなんてことになると、はたして、売掛金の管理ができますでしょうか?
専用のExcelシートなどを作成してチェックしていかないと、かなり困難では?…と思いますが。

誤差の原因3:売上計上後に再計算されてしまった

後日、何らかの理由で再計算されて、想定外の入金があったりしませんでしょうか?

自分はこの日が売上確定日だ!と思っていたのに、実は違っていた…といったこともあるかもしれませんね。

入金時に売上金額が1,000円追加されていた(間違い)

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/△△銀行10,600売掛金/X社11,000
支払手数料400

これですと、売掛金残高がマイナスになってしまいます!

入金時に売上金額が1,000円追加されていた(正解)

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/△△銀行10,600売掛金/X社10,000
支払手数料400売上1,000

これなら残高はゼロになります。

誤差の原因まとめ

  • 入金時に振込手数料の計上を忘れた
  • 売上と売掛金に誤差が生じる(為替差損や後日に再計算されたなど)

売掛金管理(消込み)は、一般的な経理でも結構大変な作業になります。

なぜ売掛金にしなければならないの?

結論を言うと、会計のルールとして、当期(個人事業主の場合は1〜12月)の売上は当期の会計に含めなければいけません。

来年の入金になるケースがありますよね?
A社のケースでは11月と12月の売上が該当します。

なので、売掛金/売上といった仕訳が必要になります。

11〜12月のみ売掛金ではダメ?

ここで、ピンときた方がいらっしゃると思います。

11月と12月だけを売掛金にすればいいんじゃね?

あー、11月12月以外は「普通預金/売上」にするんですよね?

半分正解です!が、まだまだ不十分です!

多分、みなさん、そう考えると思います。
でも、来年の1〜2月のみ「普通預金/売掛金」にしてそれ以降は「普通預金/売上」にしないといけませんよ。
ASPの都合で入金が伸びてしまい、その月に売掛金と入金時売上が混ざったらどうします?
さらに12月になったら、また売掛金にしなければいけない…
めんどくさくありません?

もっといい方法があります。

洗替法で売掛金を計上する

すべての月は入金ベースで売上、11〜12月の売上は決算整理仕訳で売掛金計上

ちょっと長いタイトルですが、会計の手法として「洗替法」というものがあります

ざっくり説明すると以下の流れになります。

  • 1年目
    • 1〜12月の入金=すべて入金のタイミングで売上を立てる
      (翌々月払なので、1年目の売上が立つのは3月から)
    • 決算整理仕訳で11月と12月(来年入金分で今年の売上になるもの)の売上を売掛金で立てる
  • 2年目以降
    • 1〜12月の入金=すべて入金のタイミングで売上を立てる
    • 決算整理仕訳
      • 前年の11月と12月の売上・売掛金を逆仕訳で戻す
      • 11月と12月(来年入金分で今年の売上になるもの)の売上を売掛金で立てる

といった形です。

洗替法のメリット・デメリット

メリットは以下のとおり。

  • 毎年、前年の売掛金をクリアするので、誤差は生じなくなる
  • わずらわしい売掛金の消込処理から解消される

デメリットは以下のとおり。

  • 決算整理仕訳自体を忘れやすい
  • 税理士さんが従来の方法を推す可能性がある
    (洗替法は教科書的に少しレベルの高い手法なので)
  • 株式法人化し、株主に月次損益を報告するような義務が生じるのであれば、入金ベース(洗替含む)では毎月の正確な損益報告にはらない!とクレームが来る…かもしれない
  • 決算整理仕訳まで、一時的に、売上の一部が二重売上になる
    (例題では、2年目以降の1〜2月分のみ、一時的に二重売上になるが、決算整理仕訳で解消される)

といったところでしょうか。

アフィリエイトは仕入れ即売上の世界ではなく、種を巻いても売上に時間がかかる世界なんだと説明するしかなさそうですね。

参考:決算整理仕訳とは?

12/31付で行う、確定申告前に行う一連の仕訳のことを指します。

参考までに決算整理仕訳をリストアップしておきます。

  1. 商品の棚卸し(せどりなどを行っている場合)
  2. 減価償却費計上(固定資産がある場合)
  3. 売掛金の洗替 <= 今回
  4. 貸倒金引当金の再設定(③も含む)
  5. 未払費用の計上(来年以降の支払いの中に当年分がある場合は計上できる)

その中に、売掛金の洗替を含めればいいのですが、必ず貸倒金引当金の再設定の前に行ってください

大抵の場合、貸倒金引当金が未計上、あるいは間違っている場合は、会計ソフトでエラーが出ると思います。

参考:今までの売掛金をゼロにしたい場合

既に売掛金残高があるケースで、洗替法に移行したい場合は、お手数ですが、売掛金残高がゼロにするまでは、従来どおりで仕訳してください。

その際、その月以降、ASPの報告書ベースのでの売上は立てないでください。
(入金時に売上にします。)

ゼロになるまでは

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/○○銀行9,600売掛金/A社10,000
支払手数料400

を繰り返してください。

ゼロを割った場合は?

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/△△銀行12,600売掛金/X社6,000
支払手数料400売上7,000

ゼロを割りさらにマイナスになってしまうような場合は、「売掛金の回収+入金時売上が混ざった」状態ですので、売上と売掛金(残高のすべて)を同時に計上し、売掛金をゼロにします。

洗替法の仕訳例(1年目)

それでは洗替法のでの仕訳例を見ていきましょう。

アフィリエイト初心者で、もうちょっと前からブログをスタートしたのですが、最初の入金は7月から…だとします。

7月:5月までの売上が入金された

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/○○銀行2,600売上3,000
支払手数料400

インボイス制度での売上金額の基準が狂ってしまいますので。
必ず、入金金額+振込手数料=売上としてください。

9月:7月までの売上が入金された

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/○○銀行3,600売上4,000
支払手数料400

12月:10月までの売上が入金された

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/○○銀行4,600売上5,000
支払手数料400

ここまでが当年の入金になります。
次からがいよいよ決算整理仕訳になります。

決算整理仕訳1:11月の売上(来年1月以降に入金予定のもの)

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
売掛金/A社2,500売上2,500

ここではじめて「売掛金」勘定が登場します。
「来年1月以降に」と書いてあるのは、設定や規約で1月ではなく2月以降に入金されるかもしれないため。

決算整理仕訳は通常、12/31付で仕訳をします。

決算整理仕訳2:12月の売上(来年2月以降に入金予定のもの)

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
売掛金/A社3,500売上3,500

12月分も同様に仕訳をします。

洗替法の仕訳例(2年目)

2月:昨年12月までの売上が入金

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/○○銀行5,600売上6,000
支払手数料400

この売上は昨年に計上しているので、この時点では二重売上になってしまいますが、洗替法であれば、決算仕訳で差し引きゼロになるので、そのまま何も考えずに仕訳をします。

4月:2月までの売上が入金

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/○○銀行6,600売上7,000
支払手数料400

5〜11月までの仕訳は省略します。

12月:10月までの売上が入金

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
普通預金/○○銀行11,600売上12,000
支払手数料400

決算整理仕訳1:昨年の売上・売掛金の逆仕訳を行う

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
売上6,000売掛金/A社6,000

昨年の決算仕訳の逆の仕訳をし、売掛金残高をゼロにします。
(上記例では2ヶ月分一括でゼロにしていますが、11月と12月を別々に行っても構いません。)
これで、二重売上が解消され、前年の売掛金もリセットされます。

もし、二重仕訳が気持ち悪く感じるのなら、この逆仕訳のみ12/31付ではなく1/1付けで仕訳を入力しても良いと思います。
(慣れれば、期首(整理)仕訳としても良いと思います。)

決算整理仕訳2:11月の売上(来年1月以降に入金予定のもの)

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
売掛金/A社7,500売上7,500

「来年1月以降に」と書いてあるのは、設定や規約で2月に入金されるかもしれないため。

決算整理仕訳3:12月の売上(来年2月以降に入金予定のもの)

借方/補助科目金額貸方/補助科目金額
売掛金/A社8,500売上8,500

洗替法の仕訳例(3年目以降)

3年目も、2年目と同様に仕訳してください。

参考:ASP各社の振込ルールを一覧表にしておくと楽

簡単でいいので、こういった一覧表を作成されると、仕訳がきっと楽になるでしょう。

ASP社名支払いサイト売掛金11月売掛金12月支払手数料
A社翌々月末払い400円
B社翌月末払い600円
C社翌々月15日払い220円

会社によっては、いくらまで○○円、それ以上は△△円といったパターンもあるかもしれませんので、それもこの表に転記しておくと便利だと思います。

参考サイト

洗替処理(洗替法)

この中の「(4)洗替処理の仕訳例」がそうですね。

アフィリエイトの仕訳は?

こちらの回答でもOKですが、

借方:売掛金 貸方:売上

だけですと、翌年の1月2月のみ売掛金消込処理が生じます。
洗替法を視野に説明するのであれば、決算整理仕訳の逆仕訳の説明もしてあげたほうが、よいかなあ…と思います。

最後に

これで、売掛金の誤差に悩まなくてすみそうですね。
海外ASPにも絶大な効果を発揮すると思います!

頑張ってください!

それでは、また。

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